ロケットの隠れ家でお茶会を

ドラマ・映画・演劇・漫画・ゲーム・小説等々、美味しいものを見つけては感想なども書き綴っています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

君が為 尽くす心は 水の泡 消えにし後ぞ 澄み渡るべき

一晩たっても余韻が残っているのか、仕事中一人になる度によさこい節を鼻歌ってた自分、自重せよ。

さて、この熱が冷めてしまわぬうちに『IZO』感想いきます!
ネタバレ&郷土愛全開&しかも長いので、それでも良いよという方のみ、続きからどうぞ。




脚本が中島さんでないという事もあり、いつもの新感線とはかなり異なった趣きとなっていました。
一言で言えば、重い――重いんですよ、全体的な空気が。
話の筋自体も、基本的には歴史の流れに従う形で物語が展開していくので、いつものエンターテイメント的な舞台とは全然違う。
純粋に硬派な時代劇という雰囲気でしたね~、龍馬以外は(え?

(ちなみに、井上佐一郎殺害がかなり後半だったり、以蔵の毒殺未遂が投獄前に行われたりと、物語上の都合による時系列の改変は少々有ります)

どちらかと言えば、ここまで重い雰囲気が続く芝居は苦手なんですよね;
しかも、終盤近くになるまでなかなか以蔵を好くことができなかったのが辛かった……!
何というか……暗殺剣しか振るえず、アギに認めてもらう事こそが生きがいという以蔵の心情を、理解できない訳ではないんだけどさ。
正直、「認めてもらう為にはひたすら人を切り続けなければいけない」という思考に囚われたまま、世の趨勢を学ぼうともしなかったくせに、「何で認めてくれないんだ」と自棄を起こしたり、田中新兵衛を妬んだりしているのを見てると、もう苛々して仕方がなかったんですよ。
何てめぇは一人で可哀想ぶってんだと。
本当に、京入りから勤王党弾圧まではずっとそんな感じで、同情なんぞ誰がするか!って心境だったんですけどね。

向ける感情が変わったのは、アギの帰りを待って京に潜伏するようになった場面辺りからかなぁ。
土佐の獄中で拷問を受けている他の勤皇党のメンバーは、以蔵がすでに長州に向かったものと思っていたのに対し、以蔵はアギが戻ってくると信じ凶刃を振るい続けている。
誰かに命じられた訳でも、薦められた訳でもなく。
そうやってボロボロになって流離ってるヤツを見ていたら、ああ、コイツはもうとっくの昔から<天>により突き動かされてたんだなぁと、思ってしまったんですな。
そしたら、それまで以蔵に対して沸いてたイライラがどーでも良くなったというか。
自分でもよく分からん所で納得してしまったんですよね……う~ん、説明できないのがもどかしい;

極めつけは、アギの詮議に証人として引き出された際に、容堂を相手にしたあの一連の問答。
諸々の暗殺がアギの指図によるものかと問い詰める容堂に対し、「天の指図に従ったまで」と答えた以蔵。

「わしには武市先生が天でございました。
武市先生には容堂様が天でございました。
そして容堂様には徳川様が天でございましょう。
皆それぞれが天を持っております。
しかし、天とは動くものでございます」

「天とは動くものでございます。
徳川様とて不動ではございません。
夜空を見ちょれば分かります。
ここに来るまでの船の上でも、星は動いちょりました。
天にばかり従うては、必ずや道を誤ります。
天に尽くす心は、必ずや水の泡となります」


この台詞って、アギを庇うようでいて、その実はアギと容堂の両者を責めてもいるんですよね。
しかも辞世の句を絡めているだけあって、自嘲の意も含んでいるとみた。

けれども、この言葉を受けたアギが、
「犬にも、知恵がつきますのう」
と、やっと以蔵を認めてくれた時には、さすがに目頭が熱くなりました。
この一連の流れと、最後での満作の花を前にしての「自分は結局人に過ぎなかった」という言葉をかみ締めるために、この芝居の全てはあったのではないかとも思います。
そのくらい、この終盤の締め方は良かった……!
(そしてメインテーマに挿入されていた、よさこい節のメロディに撃墜され号泣)


と、メインの以蔵についてはこの辺までにしておいて。

アギ(作中では龍馬にアゴ言われてたけど、土佐弁ならアギと呼ぶべきでしょう)は実際に見るまでは、田辺さんのイメージで合ってるのかと心配していましたが。
うん、このアギなら田辺さんでもいけるな、という印象でしたねー
欲を言えばもうちょっと冷静な性格であった方が良かったんですけど。
(しかし富子さんが登場するたびに思わずニヨニヨしてしまう、そんな自分は武市夫婦スキー)

あ、龍馬は池田さんのアレでオールOKです(笑
龍馬はあのくらい(ポップ調よさこい節で浮かれ踊り、スリット有り着物のきれーなネーチャンとドンチャン騒ぎをしつつ登場)アホい性格している方が好きです(こら地元民;
それにしても、土佐勢は皆、かなり土佐弁上手かったですねー
そりゃ時々は発音とか、「ちゅう」と「ゆう」の用法が間違っていたりもしたけど、作中台詞の80%近くが土佐弁な割りに、変な方言でイラっとなる事がほとんどなかったのは凄いなと。
あと、粟根さんの勝海舟は妙に可愛らしかったです(褒めています
出番少なかったのは惜しいなぁ……龍馬との師弟コンビのやり取りとかも見たかった。

そんなところで。
新感線らしさから少し離れていたのは残念。
でも、土佐の人間としては、冒頭での郷士差別(下駄を履いたというだけで無礼討ち等)とかも含めて、ここまで土佐っぽをクローズアップしてくれた事に対しては感謝せざるをえません。
ああ、新感線ファンで良かった!


[ 2008/07/10 23:12 ] 演劇 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

矢車青(やぐるま・しょう)

Author:矢車青(やぐるま・しょう)
趣味の物書き。生まれも育ちも四国の土佐。創作小説サークル『モノクロアニマル』にて、本作ってイベント参加してたりもします。



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。